2025.09.01
2025年8月20日(水)18:30~20:30に、3×3ラボで能登復興ローカルシフトアカデミー2025のプレイベントを実施しました。このイベントでは、それぞれの関わり方で能登町との関係をゲスト4名のゲストが登壇。それぞれの視点から、能登が直面する厳しい現実と、それを上回るほどの魅力、そして未来への希望が語られました。
登壇者たちが口を揃えて語ったのは、一度訪れると抜け出せなくなる「能登沼」とも言える、その不思議な引力。それは、豊かな自然や絶品の食だけでなく、訪れる人を「おかえり」と温かく迎え入れる人々のエネルギーにありました。
なぜ多くの若者が能登に惹きつけられるのか。そして、私たちに何ができるのか。能登の「今」と、私たちが未来を共に創るための第一歩を考えるようなイベントとなりました。
概要
日 時:2025年8月20日(水)18:30-20:30
場 所:3×3 Lab Future
ゲスト(4名)
・大石教博(サンカクキカク株式会社 代表取締役CAO / GALLUP認定ストレングスコーチ)
・志賀 智寛(東京大学FS能登町支援チーム 代表)
・助川 富美恵(株式会社御祓川 メディアクリエイター、一般社団法人 Work Design Lab 石川エリアオフィサー、一般社団法人農林水産ダイバーシティ連盟 理事)
・上入佐 慶太(株式会社JAL航空みらいラボ 航空事業調査研究部 調査研究員 兼 日本航空株式会社 W-PIT 能登復興事業 統括)

2024年1月1日に発生した能登半島地震は、地域がもともと抱えていた人口減少という課題を、一気に加速させる危機をもたらしました。
データだけを見れば、未来に不安を感じることもあるかもしれません。けれど、トークセッションで語られたのは、厳しい状況の中にも確かにある可能性でした。その一つのキーワードが「ワクワク」です。
震災は大きな出来事でしたが、それをきっかけに新しい挑戦も生まれています。たとえば、ボランティア受け入れの際に課題となっている宿泊施設の不足に対して、地域の各地で新たな宿泊拠点づくりの動きが始まっています。課題をきっかけに、人の循環を生み出そうとする取り組みです。
震災を機に「町が変わらなければいけない」という意識が地域全体で高まり、外からの新しいチャレンジを「ぜひやってほしい」と応援してくれる土壌が生まれている。この困難な状況の中だからこそ、新しい未来を創造するエネルギーが生まれるかもしれません。

「行けばわかる」- 言語化できない能登の引力
イベントを通して、登壇者たちが最も熱を込めて語ったのが、言葉では説明しきれない能登町の魅力、すなわち「引力」でした。
登壇者たちは、「能登町は、好きとか愛してるを通り越して、もはや私の一部」や、「初めて能登町を訪れた際、現地の人々のものすごく強烈なエネルギーに心が揺さぶられ、人生が加速した」などと語ります。登壇者にとって能登は、単なる観光地ではなく、自分の人生を変えるほどのインパクトを持つ特別な場所だったのです。
その引力の源泉はどこにあるのでしょうか。
一つは、日本の原風景ともいえる豊かな自然と、そこで育まれた「食」の力です。「農家民宿で食べる新米は、ひっくり返るくらい美味しい」「冬の寒ブリは、本当にうまい!」といった熱のこもった紹介がありました。この食体験によって「今年こそ、自分がブリを捌けるようになって、寿司を友達に振る舞いたい」と寿司職人の学校に通う決意をした人もいるほど。能登での食体験は、人を動かすエネルギーを持っていました。
そして、何よりも多くの登壇者が能登町の魅力として挙げたのは「人」。能登町では、訪れる人を温かく迎え入れ、「おかえりなさい」と声をかけてくれる家族のような関係性が生まれています。この体験のインパクトは、多くの登壇者が「言語化するのをやめた。行けば一発でわかる」と語るように、理屈を超えたものでした。
一度その魅力に触れると、気づけば抜け出せなくなるほど夢中になる。
それこそが、彼らが「能登沼」と呼ぶものの正体なのかもしれません。
この日のトークから伝わってきたのは、能登の復興は単にインフラを元に戻すことではない、という視点です。この先の地域の未来を「誰が」「どのように」つくっていくのか。そんな問いが、私たち一人ひとりに向けられていました。
登壇者が語ったのは、「言葉にしきれない魅力」や「数字だけでは測れない価値」。実際にその場に足を運び、人と出会い、体験することの大切さが改めて共有されました。
特別なことをしなくてもいい。まずは能登を訪れ、景色を眺め、食事をし、人と話してみる。その積み重ねもまた、地域とともにある一つの関わり方だと感じられる時間になりました。

アカデミーの詳細はこちらから。