2023.08.08
今年も能登ローカルシフトアカデミーの開催が決定し、2023年7月27日(木)オンライン(zoom)にて、開催記念イベントを実施しました。
ゲストには、HR統括編集長としてキャリア領域に携わる藤井薫氏(株式会社リクルートHR統括編集長)と、移住コーディネーターとして地域で働く森進之介氏(能登町定住促進協議会 移住コーディネーター)をお迎え、「地域×キャリア 自分に合う働き方を地域でつくるには」をテーマに、トークセッションを行いました。
働く喜びを得るために、自分らしく生きていくための方向性の理解と、地域でどう活かしていくかのイメージが湧きやすくなる時間でした。
イベントの冒頭に、能登町役場の灰谷氏から、この時間の最後に「みなさん“の”のとがはじまって欲しい」と世界農業遺産に認定された能登町について紹介。「自然に恵まれた土地・食・文化そして最大の魅力は能登の里山里海を受け継ぐ人である。」と能登町の人を紹介しました。
「講座を通じてのとがはじまった人達にぜひ出会っていただき、ワクワクに変えたい。」と灰谷氏は語ります。
参加者には、既に「のとがはじまっている方」も参加されており、チャットではスタンプでリアクションもたくさんいただきました。
森氏は、「移住は仕事も住まいも暮らしも、別の国に引っ越しするくらい大幅に変化する。」と、移住後に今のキャリアについて3年間は失敗もあったと語ります。
森氏は、193ある能登町の集落の価値観がそれぞれ違うことに気づき、移住希望者のヒアリングを徹底することで、移住を目的化せず、地域活性の1つの手段として移住者を受け入れるようになったそうです。
そうして昨年末までに、172組/296名の移住者と23組/46名の起業者を定住促進協議会でサポートしたようです。
「移住はゴールではなく始まりなので、徐々に能登の資源や課題を知ってから起業のプランニングをしていく必要がある。」と森氏は話します。
また、森氏は能登ローカルシフトアカデミーについて語ります。「能登ローカルシフトアカデミーでは、まず自分が出来ることを知った上で能登に触れ、何を求められているかを知る。自分がしたいことだけでなく、自分ができることとまちの事業者がして欲しいことが上手くマッチするとおのずと身体が動き、行動が加速する。まずは一緒に汗をかくことから始めよう。」と、森氏はこれまでの能登ローカルシフトアカデミーに関わっている中で感じたことを参加者に伝えました。
「人と組織が持つ”無限の可能性”を拓くこと」がライフワークであると語る藤井氏。コロナ禍において働く喜びの理想と現実のギャップが生まれているなかで以下の3つが重要だと語ります。
(1)自分の持ち味の自覚(Clear)
(2)持ち味を活かせる仕事・職場の選択(Choice)
(3)上司、同僚、顧客との持ち味発揮への期待と対話(Communication)
この3C構造があってこそ、働く喜びを実感できると藤井氏は語ります。
「働」という漢字について、藤井氏が漢字を分解して、持論を述べます。
「働くとは人が重なっていき、力になること」
藤井氏は”働”の漢字を紐解き、「これからは一生涯あるがまま自由であることが大事。決まった線を歩くよりもイカのように柔らかい身体を持ってみよう」と教えてくれました。
藤井氏の言葉に事務局の稲田も、一度ストレッチしてみて左か右、前か後どちらに自分が傾くか。まずは肩の力を抜きながら選ぶのもいいかもしれない、と振り返りました。
森氏は、「“働く喜び”は必ずしもキャリアだけでなく地域活動や生活にもあると能登町に移住してから気づいた。地域の祭りは老若男女問わず、みんなで1つのことに取り組むことで不思議とやりがいと達成感を味わえる経験である。その喜びがキャリアにも繋がると思わなかった。」と藤井氏の話に、自身の気づきを言葉にしました。
都市部から地方に移住したら必ず収入は下がる。それでも都市部にいる不安、些細なことを子どもにしてあげられない経験から移住をされた人がいるという森氏のエピソード。
藤井氏は”機会”という漢字を通じて、「人と出会うことで変化があること・自然のある地域は計画外のことが起こる機み(はずみ)がある」と教え、人生は最初から決まっていたら何も面白くない。計画通りに行かなくても機みがある暮らしができていれば「そういうもんでしょ。」と受け入れられるようになると、藤井氏は話します。
自分はやりたいことと自分の手の届く人たちを幸せにするためにただ繰り返していただけだったけど喜んでもらえた。これからまたアカデミーが始まるが、参加するしないに関わらず興味を持ってもらうことで能登町と一緒に汗をかく出会いのきっかけになれば嬉しい。
人を繋ぐこと、それはこれからも頑張ってやっていきたいから「ぜひ、バーンと来てくれたら。」と森氏は楽しみにされていました。
バッターボックスに立てる地域はたくさんある。だからこそ「心の音がワクワクする方へ、人が主人公になるイカす生き方をするために移住するという意味がある。」と藤井氏は最後まで言葉の意味を1つひとつ紐解き、教えてくれました。
皆さんもこのアカデミーを通して出会い、バッターボックスに立てる機会を作っていけたら嬉しいです。
ゲスト講師の皆さま、視聴いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
本イベントの内容は公式Facebookにアーカイブが残っているので、ぜひご覧ください。
アーカイブ動画:https://fb.watch/mYoJXZ7JbR/