【開催レポート】支援を超えた「あなたの能登」が今はじまる|能登復興LSA開講記念イベント

2025.09.30

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【開催レポート】支援を超えた「あなたの能登」が今はじまる|能登復興LSA開講記念イベント

2025年9月11日、能登復興ローカルシフトアカデミー(以下、能登LSA)の第3回プレイベントをオンラインで開催しました 。

画面越しでも伝わってくる、ゲストたちの能登への深い愛情と、震災を経てより強固になったつながり。今回は、能登町で生きる3名のゲストを迎え、彼らが肌で感じている「能登町のリアル」と「これからの可能性」について語り合いました。予定調和ではない、心からの言葉が交わされたイベントの様子をお届けします。

概要

日 時:2025年9月11日
形 式:オンライン開催(Zoom)
ゲスト(3名)
國分まゆ穂(DOYA COFFEE 店長)
脊戸郁弥(B.T.N ‐Back To Nature(バトン) 代表)
新蔵良平(能登官民連携復興センター コーディネーター(地域おこし協力隊))

「どうや?」から始まる、数値では測れない能登町の豊かさ

今回のトークセッションで浮き彫りになったのは、能登という土地が持つ「数値を超えた魅力」と、震災を機に変わりつつある人々の意識でした。

1. 「どうや?」で繋がる家族のような関係性

ゲストの一人、DOYAコーヒーの國分さんは、店名の由来について「能登の方言である『どうや(調子どう?)』という会話から始まる場所にしたかった」と語ります 。彼女にとって能登の人々は、家族のような存在。震災後も、ボランティアやローカルシフトアカデミーの卒業生など外から来る人々に対しても、「私の友達だ」という感覚で受け入れており、その輪はどんどん広がっているといいます。

2. 震災による二極化と、生まれる「チャンス」

発災後の変化について、脊戸さんは二極化した感覚もあると、冷静に分析します。支援に頼りたくなる心理が働く一方で、「今はチャンスだ。新しい能登町をみんなで作ろう」とポジティブに捉え、夢を語りだす人も増えたといいます。これまで「どうせ能登なんて」と思っていた若者や住民たちが、「能登の未来」を自分ごととして動き始めていることを感じているようでした。

3. 効率や損得勘定を超えた「生き方」

能登町への移住者である新蔵さんは、能登の人々の魅力について「自分の命を燃やして生きている」と表現しました。都会的な効率化や損得勘定とは真逆にある、一見非効率に見えるコミュニケーションこそが、実は幸せへの近道であり、人間らしい生き方なのだと気づかされたといいます。

心揺さぶられる、命と復興への哲学

質疑応答やフリートークの時間では、ゲストそれぞれの人生観が垣間見え、参加者の心を大きく揺さぶりました。

特に印象的だったのは、脊戸さんが語った「命のバトン」の話です。「何のために生まれてきたのか」と悩み、自然の中で過ごすうちに辿り着いた答え。それは、両親、祖父母、さらにその友人たち、誰一人欠けても今の自分は存在しないという事実でした。その言葉には、画面越しの参加者からも多くのリアクションが寄せられました。

また、能登から出たことがなかったと話す國分さんが、今は「能登の未来を語る大人」に出会い、「能登に残ったからこそできること」を見出して活動している姿には、勇気をもらった視聴者も少なくないのではないでしょうか。「今の若い子たちに、能登はもっといい場所だと思ってもらいたい」と話す彼女の姿は、次の世代へとつながる希望を感じさせてくれたようでした。

さいごに

今回のプレイベントは、単なる講座の説明会ではなく、能登という土地で「人間らしく生きること」の意味を問い直す時間となりました。

過去の活動編イベントでも、登壇者が共通して口にしていたのは、能登町に行くこと。
アカデミーへの参加はもちろんですが、まずは「DOYAコーヒー」の國分さんに会いに行く、脊戸さんや新蔵さんに会いに行く。そんな会いたい人に人に会いに行く、能登町を五感で感じてみることこそが、私たちにできる最初の復興支援なのかもしれません 。