【開催レポート】ワクワクする能登を共につくる -今日から能登がはじまる-|能登復興LSA開講記念イベントin金沢-

2025.09.01

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【開催レポート】ワクワクする能登を共につくる -今日から能登がはじまる-|能登復興LSA開講記念イベントin金沢-

2025年8月21日(木)18:30~20:30に、Microsoft Base Kanazawaで能登復興ローカルシフトアカデミー2025のプレイベントを実施しました。地域の未来を創造しようと奮闘する石川県内の実践者のリアルな声が聞こえてきたトークイベントでした。登壇したのは、能登町で椎茸農家を営む上野朋子さん、Uターンしてケロンの小さな村の副村長(イベント当時)になった古矢拓夢さん、そして「関係人口」として金沢市から能登と深く関わる道家陽介さんの3名です。

イベントでは、彼らが語る能登町の魅力が、いずれも「人との関係性」に基づいていることが浮き彫りになりました。震災という困難な状況を支えたのは、日頃から築いてきた「人との濃いつながり」。また、都会にはない環境だからこそ生まれる「ゼロから創る楽しみ」や、誰もが自分の人生の主役であるという「主体的な生き方」が、能登町や彼らに活力を与えていました。

概要

日 時:2025年8月21日(木)18:30-20:30
場 所:Microsoft Base Kanazawa
ゲスト(3名)
上野 朋子(農事組合法人のとっこ 副代表)
古矢 拓夢(ケロンの小さな村 副村長)
道家 陽介(ソフトウエアエンジニア)

内容

1. 「ない」から生まれる「ワクワク」- 若者が主役の地域づくり

「能登には、都会にあるようなエンタメが本当にない。でも、それが好きなんです」

Uターンした古矢さんは、一見不便に思えるこの環境が、逆に「自分たちで楽しみを創り出す」という豊かさを生んでいて、お店を探す代わりに「うちの空き地でBBQしようぜ!」と仲間が集まり、お金では買えない「ゼロから創る楽しさ」があります。

この「ワクワク」を原動力にする考え方は、地域を元気にしたいという気持ちにあるといいます。古矢さんは現在、能登町を中心として若者グループ「若衆の会」の活動に力を入れています。震災後の復興会議で若者の声が届きにくい現状にもどかしさを感じ、「自分たちの街の未来を、自分たちで考える」ための主体的な場をつくろうと考え活動しています。課題を深刻に捉えすぎず、自分たちが「ワクワク」できることから始める。その純粋な気持ちが周りを巻き込み、未来を創る大きな力になると感じました。

2. 震災を乗り越える力 – 「濃い関係」が育むコミュニティの絆

椎茸農家を営む上野さんの体験は、日頃から築いてきた「人とのつながり」が、非常事態の時に、いかに大きな力になるのかを教えてくれました。

地震で栽培ハウスが大きな被害を受けた直後、復旧作業に駆けつけてくれたのは、日頃から直接取引をしていたスーパーの担当者など、お付き合いの深い取引先の方々でした。市場出荷から直販へ切り替え、顧客と丁寧に築いてきた「濃い関係」が、最大のピンチを救ってくれたのです。「良い関係を築いてきて本当に良かった」と、 上野さんは語りました。

金沢市在住の道家さんも「最初は他人だったのに、だんだん家族のように扱ってくれる。『気を使うと逆に怒られる』くらい、能登町の人たちは懐が深い」と語ります。

この温かいコミュニティの存在こそが、人々を惹きつけ、震災のような困難な時にも地域を支える大きな力となっていることが伝わってきました。

3. 「関係人口」という新しい可能性 – 持続可能な関わり方のデザイン

金沢市に住みながら能登と深く関わっている道家さんは、地域との新しい関わり方を提案します。道家さんは「『かわいそう』をベースにした関わりは長続きしない」と、発災後に感じたとのこと。

ボランティアに1回参加して終わりではなく、その地域を好きになり、観光で訪れたり、特産品を買い続けたりするような、持続的な関係が重要。そのために必要なのは、「楽しいから行く」というシンプルな動機が大事なのではないかと語ります。

道家さんは、IT専門家として東京・金沢・能登の面白い人たちをつなぎ、関わる人自身も楽しみながら地域に新しい価値を生み出そうとされています。こういった関わりは、まさに地域と多様な形で継続的に関わり続ける関係人口と言えるのではないでしょうか。関係人口という言葉は、近年よく聞く言葉となりましたが、卒業生たちの活動を通して、有事だけでなく平時からゆるやかに自分の好きや楽しいという感情を通してつながりあっていることの大切さを私たちはいつも感じさせていただいています。

まとめ

今回のイベントを通じて見えてきたのは、能登町の魅力が美しい自然や食文化だけにとどまらない、もっと根源的な「人の生き方」そのものだということでした。登壇者に共通していたのは、震災を単なるマイナスからのスタートではなく、未来をより良くするための「きっかけ」として捉える、力強く前向きな姿勢です。その原動力となっているのが、イベントで繰り返し語られた「ワクワクする気持ち」と、それを支える「人との濃いつながり」。

都会の便利さや匿名性の裏で私たちが失いつつあるかもしれない、「生きている」という主体的な実感や、かけがえのない個人としての存在価値が、能登町には色濃く残っています。

彼らの話は、能登町という特定の地域に限ったものではありません。義務感や同情心だけでなく、ポジティブな感情こそが人を動かし、持続可能な活動を生み出す。この事実は、私たちがこれから自分のコミュニティや社会とどう関わっていくべきか、大きなヒントを与えてくれました。
能登町には、あなたを待っている「ワクワク」がきっとあるはずです。

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