【開催レポート】能登にこそ真のクリエイティブが宿る|能登LSA2026開講記念イベント@金沢

2026.08.12

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【開催レポート】能登にこそ真のクリエイティブが宿る|能登LSA2026開講記念イベント@金沢

8月5日、能登ローカルシフトアカデミー2026の開講記念イベントを金沢で開催しました。
ゲストは、能登町で不動産業を営む能登不動産株式会社の玉地正幸さんと、デザイン会社を経営しながら「NOTONOWILD」や「DOYA COFFEE」、だらぼち音楽祭などを手がける株式会社SCARAMANGA辻野実さん。能登の暮らしや仕事、祭り、空き家。参加者からの質問も交えながら話していくうちに、「能登にあるものを、どう捉え直すか」という話へと広がっていきました。

イベント概要

日時:2026年8月5日(水)18:30〜20:30
会場:Microsoft Base Kanazawa
主催:能登町
運営:一般社団法人シラタマワーク

当日は、一方的に話を聞くのではなく、途中で参加者同士でも感想や気になったことを共有。その場で生まれた問いを参加者からもゲストに投げかけながら、トークが進んでいきました。

それぞれの仕事が、地域を支える力になった

トークは、ゲストのお二人が能登町で続けてきた仕事や活動の紹介から始まりました。

玉地さんは、Uターン後に能登不動産へ入り、先代から事業を引き継いだ二代目。地域に根を張って不動産業を営んできました。震災当日は、消防団員として避難誘導や救助活動、安否確認などに奔走。その後すぐに不動産の仕事へ戻ると、「今すぐ住めるところはないか」という相談が次々と寄せられたといいます。しかし、紹介できる家がない。そのときに感じた無力感が、今も残る家をどう生かし、次につないでいくかという現在の仕事にもつながっています。

一方の辻野さんは、株式会社SCARAMANGAでデザインの仕事をしながら、能登町の日常を新しい切り口で発信する「NOTONOWILD」や、人と人との小さな会話を増やすことを目指した「DOYA COFFEE」を立ち上げてきました。

震災後、その二つが思わぬかたちで力を発揮します。「NOTONOWILD」で必要な物資を発信すると、翌日には各地から支援物資が届く。そして、もともと地域の人が集まっていた「DOYA COFFEE」と地域のネットワークを使い、在宅避難者へ届ける仕組みをつくる。日頃からつくってきた発信と人のつながりが、そのまま地域を支えるインフラになったといいます。
さらに2026年には、能登町内外から仲間を集め、「だらぼち音楽祭」を開催。辻野さんがそこで掲げた「創造的復興」は、単に以前の状態へ戻すことではありません。自分たちが土地に誇りを持って住み続け、外の人にも「能登っていいところだ」と自慢できる。そんな状態をつくっていくことだと語ってくれました。

能登には、すべてがある

「改めて、能登町の魅力って何ですか?」
そんな問いに、玉地さんが挙げたのは、魚や野菜をもらったり、祭りや神事が日々の暮らしの中にあったりする、ごく普通の風景でした。地元にいると、それが特別だとは思わない。けれど町外の人に話すと驚かれる。そこで初めて、自分たちが当たり前に過ごしてきた毎日が、実はとても贅沢で豊かなものだったと気づいたといいます。

辻野さんも、忘れられない出来事を話してくれました。
一時、金沢へ避難していた息子さんに「このまま金沢の学校に通う?」と尋ねると、「能登に帰りたい」と答えたそうです。
その理由は、「能登には、すべてがあるから」。
ほしいものや遊ぶ場所なら、都会にもある。でも、自然や祭、おいしいもの、友だち、おじいちゃんやおばあちゃんは、能登にしかない。息子さんの言葉から、辻野さん自身も「自分に必要なものは能登にある」と、あらためて気づかされたといいます。

「ない」なら、つくればいい

また、この日のテーマだった「クリエイティブ」について、辻野さんは、能登町へ移住してきた人から言われたこんな言葉を紹介。

「能登の人って全員クリエイターだ」

小屋が必要なら、自分でつくり、道具も工夫する。都市ならお金を払ってサービスとして手に入れるようなものを、能登では身近にあるものを使いながら、自分たちで何とかしてきた。華やかな何かを生み出すことだけがクリエイティブではなく、生活に必要なものを、自分たちの知恵と手でつくっていく。そんな「生きるためのクリエイティビティ」が、能登にはずっと根付いてきたのかもしれません。

後半、さらに会場からは、「美容の仕事をしながら二拠点で能登町に関わりたい」「おばあちゃんの家を守りながら、そこで何かできないか」という声も。

まだ何をするのかは決まっていくても、最初から完成されたアイデアがなくてもいい。そのためにこのアカデミーがあるのです。自分が好きなこと、できること、やってみたいことと、能登町にあるものを重ねていく。その先に、自分なりの関わり方が見つかることもあります。

「可能性が残っている」のではなく「可能性しかない」

イベントの終盤、参加者から「人口を増やしていくことが難しいなかで、どんな能登になったらいいと思いますか?」という問いが投げかけられました。

玉地さんは、人口を増やすことだけを目標にするのではなく、今の能登町の人たちが大切にしているものを受け継ぎながら、「みんなが気を張らず、そのままで生きていける暮らし」を残していきたいと話します。一方、辻野さんは、人口が減っていく今だからこそ、これまでの里山里海や原風景をそのまま残そうとするだけではなく、これからの能登の景色を、自分たちでつくっていく時期なのではないかと語りました。

そして最後に、玉地さんから出たのが、「可能性が残されているんじゃなくて、能登には可能性しかない」という言葉です。能登は、古くから人や文化が行き交ってきた場所です。そこには、地元の人が大切にしてきた暮らしがあり、自分たちの手で生きてきた知恵があります。そして今、能登町には、これから必要になる仕事や場所があり、「ここで何かやってみたい」と思う人たちもいます。

すでに答えが揃っている場所ではないからこそ、まだつくれるものがある。この日の対話は、そんな能登の可能性を、参加者それぞれが自分の目線で見つけていく時間となりました。
玉地さん、辻野さん、貴重なお話をありがとうございました!

エントリー締切間近!

能登ローカルシフトアカデミー2026は、現在5期生のエントリー受付中です。
締め切りは、8月17日(月)23:59まで。
少しでも気になっている方は、まずエントリーフォームからあなたの抱えている想いを聞かせてください。
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