2026.08.12
7月27日、能登ローカルシフトアカデミー2026のプレイベントをオンラインで開催しました。
今回のゲストは、能登町で実際にスナックを引き継いだイラストレーター・漫画家のなとみみわさんと、事業承継を支援する株式会社ライトライトの松田稜平さんをゲストに迎えました。「事業承継」ということ軸に、ゼロから起業するだけではない選択肢から、自分らしい地域との関わり方や仕事のはじめ方を考えました。
日時:2026年7月27日(月)19:00〜21:00
形式:オンライン(Zoom)
主催:能登町
運営:一般社団法人シラタマワーク
当日は、地域で何かを始めたい人や、実際に能登での起業を考えている人などが参加。チャットにも質問やコメントが次々と寄せられました。

松田さんの所属する、株式会社ライトライトでは、「事業承継をオープンに」を掲げる事業承継マッチングプラットフォームrelayを運営されています。そんな松田さんから、最初に松田さんから紹介されたのは、「事業承継は、新しい創業のかたちでもある」という考え方です。
地域で続いてきた事業には、設備や技術だけでなく、お客さんとの関係や信用、その場所を大切にしてきた人たちの想いがあります。それらを受け継ぎながら、新しい担い手が自分の経験やアイデアを加えていく。松田さんは、これを「事業のリノベーション」と表現しました。
だから、必ずしも最初から「地域のために何かをしたい」という大きな志が必要なわけではありません。「地方で独立したい」「自分のお店を持ちたい」。そんな自分自身の「やってみたい」から始まり、譲り手の話を聞くなかで、「この想いも残していきたい」という気持ちが少しずつ生まれていくことも多いそうです。
そこで出てきたのが、「想いをブレンドしていく」という言葉でした。誰かの想いをそのまま背負うのでも、自分のやりたいことだけを押し通すのでもない。大切にされてきたものに、自分の色を重ねていく。それも事業承継の一つのあり方です。

なとみさんが能登町のスナック「ぶらんか」を引き継ぐことになったきっかけも、ご自身の「やってみたい」でした。
以前から同級生たちに「スナックをやりたい」と話していたなとみさん。米づくりを始めたときも、「米をつくりたい」とあちこちで話していたことで人とのご縁がつながったといいます。「やりたい」と口にする。誰かがそれを覚えていて、「だったら、こんな話があるよ」と次の人につながっていく。
松田さんからも、事業を継ぎたい側が「こんなことをやってみたい」と声を上げることで、紹介やマッチングにつながることがあるという話がありました。何かを始める最初の一歩は、完璧な事業計画をつくることではなく、自分のなかにある「やってみたい」を誰かに話してみることなのかもしれません。

一方で、受け継いだら終わりではないことも事実。なとみさんは当初、「人気だったスナックの営みを自分が絶やさずに守らなければ」と、かなり力が入っていたのだとか。しかし、続けていくなかで、「ママのスナックを継いだけれど、ここからは私のスナックでもある」と気づいたと話します。
これまでなかったランチ営業を始めると、初めて店を訪れる人も増えたり、お客さんとの会話から意見をもらい、「じゃあ、こんなこともやってみよう」と試したりしながら、少しずつ自分だからできる能登のスナックをつくっておられます。
大切にされてきた場所を残しながら、自分自身も楽しく、ワクワクしながら続けていく。自分の「好き」や「やってみたい」から始めたことが、結果として誰かの思い出の場所を残し、新しい人が集まる営みへとつながっていくのかもしれません。
当日はチャットにも次々と質問やコメントが寄せられました。実際に能登での起業を考えている参加者からは、「事業承継をするうえで、精神的・物理的にどんなハードルがあったのか」という具体的な質問も。
資金のこと、地域の情報をどう集めるか、困ったときに誰に相談するのか。なとみさん自身の経験や、能登町・商工会など地域にある支援についても話が広がりました。
イベント後のアンケートでも、
・事業承継について興味がわいた
・自分に何ができるか、今一度考える機会になった
などといった声が寄せられました。
最初から、立派な事業案がなくてもいい。
「これが好き」
「こんなことをやってみたい」
まずはそんな気持ちを誰かに話してみることから、ご縁がつながり、思いもよらなかった選択肢に出会うことがあります。
誰かが大切にしてきたものと、自分の「やってみたい」が重なるところに、また新しい営みが生まれていく。そんなことを感じる2時間となりました。
なとみさん、松田さん、貴重なお話をありがとうございました!!

能登ローカルシフトアカデミー2026は、現在5期生のエントリー受付中です。
締め切りは、8月17日(月)23:59まで。
少しでも気になっている方は、まずエントリーフォームからあなたの抱えている想いを聞かせてください。
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